【書評】天皇制は「奴隷制」なのか!?小林よしのりVS井上達夫『ザ・議論!』(後編)

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小林よしのり氏と井上達夫氏による、白熱の論戦を収録した書「ザ・議論!」。

前編に引き続き、皇室の自由について考えていきましょう。

【後編:愛子さま・女性皇族方の残酷な現状】

井上氏は、皇室が様々な自由を制限されていることから、天皇および皇族方を

「奴隷的存在」と表現します。

ここで考えなければいけないのは、愛子さまを始めとした女性皇族方の置かれている状況です。

今の制度において、女性は天皇になることができません。

そして結婚したら皇籍を離脱し、民間人となります。

この決まりが皇統の危機を招いているので、現在、皇位継承のルールを変更する議論がなされています。

その渦中にある愛子さま、或いは眞子さま、佳子さまなどは、非常に不安定なお立場にあります。

今後の制度変更いかんによって、ご自身が皇室に残るのか、民間人になるのか、天皇になるのか。

そうした極端に異なる将来像の狭間で、人生を決められずにいます。

井上氏が言う、天皇の立場を「避けがたい宿命」(33頁)として受け入れることもできない状態なのです。

これは「奴隷的地位」に縛るよりも、更に残酷なことではないでしょうか。

・まずは皇室典範を改正して、性別に関係なく天皇になれるよう(直系優先・双系継承)にすること。

・その上で天皇に退位の自由を認め、天皇という立場に対する主体性を制度面で保障すること。

この2点を、皇室の自由について論じる前提条件にしなければいけません。

【まとめ:お気持ちを忖度することが大切】

最後に、小林氏は「国民が天皇の意思を忖度しないといけない」(76頁)と言います。

このサイトを訪れる皆様は、愛子さまのファンであり、天皇皇后両陛下を応援し、皇室を敬愛する、そういう「ごく普通の庶民」だと存じます。

誰かを好きになったら、その人の気持ちや考えに、あれこれと思いを致すものではないでしょうか。

皆で皇室の方々のお気持ちを忖度し、そのお気持ちに沿った制度を実現するため、行動していきましょう!

本書では他にも重要な議論がなされているので、またの機会にご紹介したいと思います。

文責:福岡県 ゾウムシ村長

2 件のコメント

    タヒガシ

    2020年12月24日

    皇室の方々のお考え、お気持ちを汲み取り、第一に考え、尊重する事は大前提だと思います。

    ダダ

    2020年12月24日

    女性皇族は結婚によって皇室を離れるため、公務を続けるモチベーションを維持するのは大変だと思います。
    自分の将来のことを自分で決められる自由。
    皇室にとっては新しい伝統の始まりになりますね。創り上げていきましょう!

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